新型 HS50EXR 購入体験、まつわる話

外形はレンズ交換式デジタル一眼レフそっくりながら、HS50 EXR はレンズ固定の高性能コンデジ(ネオ一眼デジ)です。 HS シリーズ4モデル(10、20、30、50)の最新型で、HS30 とは番号 40 を飛ばすだけの性能差がある。特色を書き出すと、42倍ズーム(換算24~1000mm相当)になり鏡胴が大型化し、つれてボデーも大きく重くなった。本体+電池+メモリーカードで808gです。しかし、望遠端1000mmで手持ち撮影が可能な程に光学式手振れ補正(レンズシフト方式)も高性能になった。電源OFFからの立上げも早い。そして、メーカーによるとAFは0.05秒を実現している。それで連写や動画撮影も大幅に高性能になった、ようです。まずは外形4種の写真です。

ネオ一眼デジ:Fujifilm FinePix HS50EXR
FinePix HS50EXR(1) レンズ・フード付き(フードは付属品)

FinePix HS50EXR(2)
FinePix HS50EXR(2) フードなしの姿

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FinePix HS50EXR(3) LCDは最大限に広げている

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FinePix HS50EXR(4) LCDは自由度の大きいタイプ


デザインはネオ1眼としては良いもの、と思います。デジタル一眼レフ(デジイチ)と見間違えるかも知れません。持ち易く、ホールド感も抜群です。ボタンの数は前モデルより少ないが、慣れると使い易い配置です。メニューでの設定以外に、裏面左上のQボタンで基本的な設定項目がLCDに表示され、素早い設定変更が可能となりました。外見上は、LCDのバリアングルが上下角度のみ可変のタイプから自由度のより大きいタイプになりました。

HS50EXR を含むFinepix HS シリーズの仕様比較
富士フィルムの同シリーズに HS10、HS20、HS30、HS50 があり、既に HS50 以外は販売中止になっています。其々ほぼ1年の商品生命でした。もちろん技術的な進歩を無視すれば、現在でも使用できるようなデジカメでした。筆者は旅行用として HS10 と HS30 を所持し使ってきました。今年になり、HS50 の仕様を読んで購入を決め、値下がり覚悟で3月下旬に購入しました。これら4モデルの仕様を一覧表にまとめてあり、ネット上で公開してあります。HS50EXR の詳細はその比較表か販売元のページをご覧ください。

HS10、HS20、HS30、HS50 の仕様比較表、私的検討表
富士フィルム FinePix HS50EXR

望遠での手振れ防止
使ってみるとレンズシフト式手振れ補正機能は高性能です。明るい被写体なら三脚なしでも、慎重にシャターを押すと望遠端1000mmで手振れしないことが多い。カメラを固定物に押し当ててシャター押してもよい結果になります。 HS50の場合、他にも幾つかの方法がある。

(1) 換算300mmを超える望遠レンズやズームなら手振れ防止に三脚を使用するのが普通です。それでは HS50 の望遠端1000mmの妙味(機動性)が無くなります。筆者はアフリカのサファリで動物を撮影する時、必要なら、一脚を使用するつもりです。伸ばして地面に立てて使うのではなく、短いまま先端を腹部のベルト辺りに当てて使用する。風景で実験したところ、望遠端でもレンズシフト式手振れ補正機能と相まって手振れのない写真が簡単に撮影できます。一脚は軽いので HS50 の機動性を損なうことはありません。

(2) 被写体が静止物なら、セルフタイマーを2秒に設定します。するとシャターボタンを押した後2秒でシャターが自動的に落ちる。シャッターボタンを押す動作による手振れは避けることができる。どのデジカメでも使えるテクニークです。

(3) 被写体が静止物なら、連写重ね撮りで手振れはほぼ完全に除去できる。HS50は4枚を連写し、1枚の手振れのない写真を合成してくれる。手振れ補正以外にも光量の少ない暗い場所での撮影にも使える機能です。
連写重ね撮りはモードダイアルを Adv. に合わせ、セレクターボタンの Menue を押す。LCDの表示に従って簡単に「連写重ね撮り」の設定ができます。

筆者が気付いた事: 連写重ね撮り設定を済ませてからモードダイアルをEXRに合わせた、とします。広角域ではシングル撮影ですが、望遠域では連写重ね撮りになる。シングル撮影と連写重ね撮りのズーム上の切換え点は被写体の明るさにより自動的に変動する、ようです。モードダイアルがEXR以外の設定ならば、例えばPとかAutoでは、シングル撮影のみです。

マクロと24~300mmズームなら多くのコンデジに付いている。テレ端 500~1000mm のコンデジなら、携帯性とズーム力を生かした撮影をしたいもの、上記の手振れ防止方法の活用で世界が広がると思います。

画質
価格ドットコムのレビュー蘭を拝見すると、HS50 の画質、特に解像度、に関しては評価が低いようです。高性能デジイチと比較すれば、違いは明白かもしれない。しかし、同レベルのネオイチの解像力と比べても落ちる、という主張まである。とにかく、「画質、特に解像度が良くない」という意見が現時点では目にとまります。もちろん反論もあります。

最大ズーム1000mmで撮影した本棚
最大ズーム1000mmで撮影した本棚
サイズ変更以外の加工なし


上の写真は至近距離から望遠端1000mmで手持ち撮影したもの、8畳の奥の本棚で光量が不足気味ながら自然光、フラッシュは使っていません。撮影記録をみるとISOは3200でした。デジイチや他のコンデジなどでも同じ場所で撮影してみましたが、写り方が多少違っても解像度に特に差異は感じませんでした・・・。
この写真では僅かなディストーション(糸巻き)がある。しかし、望遠端1000mmとしては僅かなもので補正が良く効いています。ついでながら、広角端でもディストーション(樽)が僅かにある。これも良く補正されている、いう印象です。デジイチの場合、同じメーカーのボディとズームレンズならディストーションは補正されても、他社ズームレンズならディストーションの補正をしないケースもある。結局、PCで補正となります。それを考えれば、レンズ1本は強みです。

厳密な比較では HS50EXR の画質には問題があるのかも知れないが、電子的に修正できることも多く、PCやインターネットで使用する画像としては気にする必要はない、と筆者は思っています。とは云え、具体的な問題指摘の例もあり、メーカーの改善努力は求められるでしょう。

近年はデジイチ用ズームレンズも進歩していますが、それでもマクロから24~1000mmをカバーするための交換レンズは何本になるでしょう?その総重量は?プロカメラマンの方々なら大画面の画質と使用感などが大事でしょうが・・・。「値段の相違が品質の相違」を否定はできないので、素人はTPOです。

AFについて
HS50EXR は3つのフォーカスモードがある。シングルAF(S)とコンティニュアスAF(C)、手動フォーカス(M)です。
メーカーはそのウェブサイトで「世界最高速0.05秒のAF」としています。前モデルよりもAFがより速いことは確かに実感できます。デジイチのフォーカシングとは感じが違い、独特なAF作動感とでも云えるものですが、ストレスは随分と少なくなりました。それでも望遠域ではある程度の時間が必要です。
AFの高速化のため位相差検知素子をCMOSに埋め込んだので画質が犠牲になった、という説をみたことがある。その点はよく分かりませんが、AFは早い程使い易いカメラになることは確かです。
手動フォーカスも良くなりました。鏡胴のボディ側に軽く回るフォーカスリングがある。背面右側の AE-AF Lock ボタンを押すとAFが作動して素早くフォーカスされる。必要なら、フォーカスリングで必要な調整をすれば良いだけです。
繰返しながら、HS50EXR のスイッチONからの立上げもとても早くなり、ここでもストレス軽減です。全体的に Finepix HS シリーズとは別機種に思える程のデジカメです。
今は南アフリカ旅行を計画中、サファリ(ツアー用)もジープ上とボート上の2種が楽しめる。この時に HS50 は特にパワーを発揮してくれるかも知れません。

購入の過程と購入品の欠陥
発売の2月23日以後、購入の気持ちで価格ドットコム等で値動きや人気を見ていた。3月下旬になると、急速に在庫切れのオンライン・ショップが増加、発注しても「3~10日後に発送」とか、「問合せ」が絶対多数となった。値段は当初すぐ4万円を下回ったが回復し4万円以上を維持している。どうも以前のモデルのような急激な値下がりは無いような予感がしました。(4月25日追記:やはり大幅な値下がり、約1カ月で1割以上も安くなっている。)

とある家電量販店のWEBに接続したら、値段は高めながら12%のポイント還元があり、ペイント還元を含めると現在の最安値圏になる。さらにクレジットカードで即時の一括決済ができる。12時間以内の発送となっているので発注した。ここまでは良かった。

夕方、当地の家電量販店から電話があった。「『当店から配達』を希望されたのでお届けに伺う」という。この質問項目があったことは記憶していたが、実は2~3日で配達と思い込んでいた。しかし、オンライン発注の際に近くの量販店からの配達にチェックしたらしい(チェックを外さなかった?)。そこは、もう忘れたのでどうにもならない。希望のデジカメが早く手に入れば、それでよい。直ぐに届けてもらった。量販店の人はデジカメの箱と名刺を置いて帰った。

直ぐ箱を開けて点検。バッテリーは充電を開始です。充電池そのものは HS30 と同じ、その充電池を当座は装填して HS50 の点検を開始した。その内、右側のストラップ取付具の下のボディ部分が極く僅かに浮いているのに気付いた。指で押すとポコッと音がする。どうやらホールド部分の接着不良、と思います。何れにせよ掌や指は敏感なので不快です。良品と交換してもらうことにした。先刻の社員に電話して事情を伝えました。展示品の確認では同じ現象はないとのことだった。その店に在庫はないが、同じ地区の別の店に1台在庫があるので、それを渡してくれることになりました。

約1時間で量販店の人が交換のデジカメを持ってきた。玄関先で最初のデジカメを見せて、問題の現象を再現して納得してもらった。右手ホールドの上部を押すとやはりポコッと音がする。不良品ということで取替えてくれました。HS30の充電済み電池があり、交換したデジカメに装填して基本的なチェックをする。問題はなさそうでした。量販店の人は問題なしとして帰っていった。今まで10年以上に渡り FinePix のデジカメをオンライン・ショップから購入してきたが、こんな経験は初めてでした。

その後、ゆっくり点検をしたら、やはり右手ホールド部分の底に近い部分が接着不良らしく少し浮いている。押すとポコッと音もする。ただ、上部ならホールドした時に手で感じるが下なら気にならない。このまま使用することにした。
いろいろと試撮りをしていると、セレクトキーにも異常がある。指で軽く撫でるとポコ~と音がする。特に中心の[Menue/OK]ボタンと左の[マクロ]ボタンです。静かな場所での設定時には気になる程度です。撫でた時100%の確率で音がする訳ではなく50~75%でしょうか。比較的頻繁です。
検査では見落とし易い事柄かも知れないが、設計段階で意図された音とは思えない(笑)。
いわゆるハネ品と知って製造会社と販売会社で価格合意が成立したのでしょうか? それはないよね!?

現時点ではボデー外側での問題で、購入者としては不愉快でも我慢できる程度です。
使用に従いデジカメ本来の機能に何がしの問題が見つかったら、これは販売元か製造元に連絡するしかありません。
せっかくの超高性能で良いデザインのネオ一眼なのに残念です。止むを得ないとしても、やはり手にするとズームリング回りが不均一でスムースさに欠けるとか、デジイチと比較すると誰でも直ぐ気付くような事はHS50に関しては早めに改善して欲しいものです。

追記: アフリカ南部でサファリ、野生動物の撮影
2013年5-6月にアフリカ南部に行った。サファリは全くの初心者、ボツワナのチョベ国立公園でサファリドライブとボートサファリの撮影に使った。ズーム1000mmのパワーとAFの速さ、そして手振れ補正が素晴らしく、遠方の野生動物も良く撮れています。ライオン2頭が餌を食べている姿まで走行中の車上からまともに撮れたのには驚きでした。比較上は大きく重いネオ一眼ですが、実際の使用では気にならない。充電池は予備を持ったが使わなかった。就寝中の満充電で翌日の撮影に十分だったのです。使い心地はよく、撮影結果はPCでの使用なら満足できる精度で楽しめます。書くべきではないかも知れないが、レンズ交換式デジカメ等より、この種の旅行には余程適したデジカメと実感しています。
(2013年6月5日記)



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